手編みのマフラー

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僕が富士宮市街に向かって車を走らせると、車の左側に富士山がきれいに見える見晴らしの良い場所を通りかかった。 「ちょっと止まって!  ここで写真撮ろうよ!」 紗衣の提案に従って、僕は道が少し右にカーブしている途中の位置で、左側のガードレールに車を寄せて止めた。 背の低いガードレールの外側は牧場のようで広大な牧草地が広がっていて、ガードレール側に寄せて牛が食べるのであろう牧草が積み上げられていた。 紗衣は車を降りて車の後方に向かって少し坂を上ったところで足を止めた。 僕も車を降りて紗衣の隣に並んだ。 「富士山きれいだね!」 紗衣の言葉通り富士山はとてもきれいで、僕は少し見とれてしまった。 そんな時、僕は突然背中を強く突き飛ばされた。 何事が起きたのかわからないまま、僕はガードレールの外側に落ちたが、そこには牧草が積み上げられていて僕はそこに落ちた。 その後、ものすごい衝撃音が聞こえた。 あわてて立ち上がって車のほうを見ると、中型トラックが僕の車の後部に衝突していた。 紗衣の姿が見当たらなかったため、僕はあわててガードレールを乗り越えてトラックの前方に行くと、車とトラックの間に紗衣が倒れていた。 「紗衣」 僕は紗衣の体を抱きかかえて紗衣の体を揺すりながら声をかけたが、紗衣はぐったりしたままだった。 救急車を呼ぶと10分くらいしてパトカーと救急車が到着した。 救急隊員が紗衣の状態を確認し、紗衣の体はストレッチャーに寝かされて救急車に運び込まれた。 「ご家族の方ですか?」 と救急隊員の方から聞かれて、 「はい、私は夫です。」 と僕が答えると、一緒に救急車に乗るように誘導された。
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