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救急車は市立病院に到着し、待ち構えていた看護師が紗衣をすぐに集中治療室に運び込んだ。
僕は集中治療室前の廊下の長椅子に座って落ち着こうとしていた。
(まずは、瑠夏に連絡しよう!)
僕はスマートフォンから瑠夏のスマートフォンに連絡したが瑠夏は電話には出なかった。
僕は瑠夏はきっとテニスの練習中なのだろうと思った。
それから5分ほどすると、瑠夏からスマートフォンに着信が入った。
僕はできるだけ落ち着いて話そうと心掛けながら電話に出た。
「おとうさん、電話くれた?」
まだ何も知らない瑠夏は、何事だろうかと思っているに違いない。
「瑠夏、おかあさん交通事故に遭って、今市立病院の集中治療室にいるよ!」
僕が今の状況を説明すると、
「えっ、おかあさん大丈夫なの?」
と聞いてきたので僕は正直に答えた。
「おとうさん、おかあさんと一緒に救急車に乗ったけれど、おかあさんは意識がなかったよ!」
この話を聞いた瑠夏は、
「今すぐ病院に行くね!」
と言ってきたので、
「瑠夏、慌てて事故起こしたり、怪我しないようにね!」
と僕は瑠夏に言い聞かせた。
瑠夏の高校は電車で20分程度のため、到着までには時間がかかるだろうと思っていた。
瑠夏と電話で話してから40分ほどして、瑠夏が病院に到着した。
「おとうさん、おかあさんは?」
「まだ集中治療室の中だよ!」
僕は瑠夏を隣に座らせて、落ち着いて事故の状況を伝えた。
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