手編みのマフラー

紗衣の通夜を翌日に執り行い、葬儀はさらにその翌日に執り行った。

葬儀が終わって少し落ち着いた頃を見計らって、僕は瑠夏にもう一度詳しく事故の状況を説明した。

この時の僕は、瑠夏に全てを包み隠さず正直に話そうと考えていて、紗衣は僕をかばって事故に遭ったことを瑠夏に伝えた。

僕は自分の苦しい胸の内を全て正直に瑠夏に伝えたつもりでいる。

この話を聞いて、瑠夏がどのように感じたのかは僕にはわからない。

葬儀が終わってからの僕は、何をしたらいいのかわからず途方に暮れていた。

瑠夏も紗衣が亡くなってから泣いてばかりいたが、葬儀が終わって数日後に高校に復帰した。

でも僕は、紗衣が亡くなったことをずっと引きずっていて、忌引きの休みを終えてもいつまでも会社を休み続けていた。

こんなふがいない父親を、瑠夏はどのように見ていたのかわからないが、僕は自分の気持ちの整理をすることで精いっぱいだった。

僕は外に出るのもおっくうになり、家で酒を飲み続けていた。

そんな僕の姿を見て瑠夏が心配して、

「おとうさん、お酒飲みすぎじゃない！」

と言ってきたが、僕は耳を貸さなかった。

時間が経つにつれて、僕の気持ちはさらに暗い闇の中に放り込まれたような感覚に陥っていた。

このような日々が紗衣の４９日の法要まで続いた。

寒さが厳しくなってきた１１月下旬に紗衣の４９日の法要と納骨式は滞りなく執り行われた。

この４９日の法要と納骨式が終わると一段落する。

僕は何とか会社に復帰して元の生活に戻らなければと自分自身に言い聞かせていた。