拗らせ女のその後

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いつもは外回り多めの花村さんが何故か午後はほとんど社内で、何だか生暖かい目線を向けられてる気がしていつもより倍疲れた気がする…。 まぁ、パートナーが社内に居てる分頼まれる仕事も増える訳で、物量的にもたしかに忙しかったんだけど…。 でもこの疲れは忙しさからくるものではない!! 心なしグッタリぎみでエントランスを抜け、やっとホッとする。 「やりにくーい。」 「何がやりにくいんだよ。」 「げっ。」 突然の蒼登場で何故か今までと同じ反応をしてしまった。 それに食いつかれるのは必然で…。 「優しい彼氏が迎えに来たのに、げっ。とはなんだ。」 心なしか彼氏を強調してる気がするのは気のせいでは無い。 「いやいや、彼氏になったんだから待ち伏せとかもうやめてよね。」 ほんとに。今までの事があるんだから、彼氏になった今でも、お迎え=きゃっ(嬉しい)とはならない。 どちらかと言えば、げっ!また来た!がしっくりくる。 長年続いたんだもの。ちょっとした拒否反応は仕方ない。 まぁ、ちょっと酷いとは自分でも思うけど。 「待ち伏せじゃない、お迎え!!」 憤慨してるけど、どう違うんだか。 「分かったから行くよ!ほんと、こんなとこ誰かに見られたら余計やりにくい。」 ゲンナリして蒼を置いて歩き出す。 「こら待て!今までとは違う反応が見れると思ってウキウキしてた時間を返せ!!」 長い足ですんなり追いついた蒼が隣でプリプリしてる。 「そんな簡単に長年の癖はとれませーん。」 でも、職場からだいぶ離れた所で蒼の手に自分のをからめた。 何コレ。私、以外にツンデレ。 「ふふふ。」 「ちぇっ。こんなんですっかり骨抜きの俺って可哀想ー。」 そんな事言いながらギュッと握り返す蒼。 まだまだ私達の未来は始まったばかり。 これからまた色んな問題とか出てきちゃうかもしれないけど、2人で乗り越えていこうね蒼。 「何だか空気が甘ーい。」 「そりゃ俺、雅の事愛してるから。」 突然の愛してるに、体温が一気に上昇する。 私はまだまだこれからもこうやって蒼に翻弄されていくんだ。 でも、悪くはないかも。 近くて遠かった少し前の私達の関係は、こんなにも甘い。 だからたまにはスパイスも必要よね。 「愛してるよ。蒼。」
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