雨の日に

6/6
前へ
/6ページ
次へ
数時間後、雨が止み、私はようやく家に帰ることができました。 後から聞いた話ですが、美樹ちゃんは幼い頃に頭から熱湯を被る事故にあい、その後、その容姿の醜さのために両親に愛されなくなった女の子の幽霊だという話でした。 もしかしたら彼女は、激しい雨が降る夜に両親に置き去りにされたのかもしれません。 きっと彼女は誰かに自分を救って欲しかったのです。 私はあの恐怖体験をしてから、今でも雨の日が嫌いです。 激しい雨が降る夜になると、私の背後から美樹ちゃんがスカートのすそをつかんでくるような気がするのです。
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加