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「手を上げろ、現行犯逮捕だ」
「そうだ、殺人事件だ。これは一課の仕事だ」
いつの間に姿を現したのか一課のデカ長の糸山が部下と共に姿を現していた。
「日本の警察は丸腰の男を射殺するというのかね。これは滑稽だ。法治国家が聴いてあきれる」
髭男は高らかに笑った。
「皆、怯むな、取り押さえろ」
号令と共に一課の面々は飛び掛かった。だが彼らが捕えたのは白いシーツのみ。そこには男たちの姿はなかった。
「捜査一課、捜査二課の諸君、ご苦労。まさに貴殿の国のことわざ、漁夫の利だね、じゃあ我々は失敬するよ」
二人の男たちが消え去った後に声だけが響いていた。
「最初に言っただろ、遅かったじゃないかってね」
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