2.窓のない部屋

2/2

70人が本棚に入れています
本棚に追加
/19ページ
「ところで・・・」 「なんだ、決心がついたか」  初老の男が朱里に目を合わせた。 「この男を食事に誘い出し、その後、ホテルの部屋に誘い込む。  それから、あたしは、この男から何を盗み出せばいいわけ」 「お、お前、スパイにでもなったつもりか」 「それじゃあ、あたしを高級売春婦にでもするつもり・・・」 「高級売春婦じゃない・・・」 「えっ、それじゃあ、1回でウン十万の借金を帳消しにしてやるって嘘なのね」 「嘘じゃない・・・」 「わっ、わかった。その山本って男が人身売買バイヤーで、あたしは、その男に睡眠薬で眠らされて、どこかに売り飛ばされるのね」 「半分はあたっているが、半分は外れだ。  料理されるのはお前さんでなはく、その山本って男だ・・・」
/19ページ

最初のコメントを投稿しよう!

70人が本棚に入れています
本棚に追加