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魔女とヤンキー
――質問します。私は誰でしょ?
――実は自分の名前が分かりません…
――特徴…ですか?青い髪で肩までの長さ、肌は普通の人よりは白く、瞳は黒に近い茶色ですね…
――それを見た人達は、私の事を『蒼の魔女』と呼び、私の本当の名を呼んでくれませんでした。
――何百年もそう呼ばれてきたのせいでしょうか…?私は自分の名前を思い出せなくなっていました。
――記憶…そうですね…うーん…困りました。それもないのですよ。
――何故異名だけ覚えているかって?それは…とある方から聞いたからですよ。そうあの方にね。
と、『蒼の魔女』は静かに語った。
彼の名前は姫咲 八雲(ひめさき やくも)。『蒼の魔女』の後継人とされるある者に召喚された異世界の少年で、金髪の肩より少し短めの長髪で、右耳に金のピアスをしており、眉を剃っている以外はどう見てもごく普通の高校1年生である。
召喚された彼は、目が覚める前に『蒼の魔女』の元に運ばれたらしく、目が覚めたら心配そうに見ている彼女がいた。
「その、とある方ってのは…誰なんですか?」
と八雲は魔女に聞いた。
「さっきまでここに居たのですが…お茶でも用意しに行ったのでしょうかね。私の身の回りを世話してくれている人で、名前はメグルという老執事です。私が何も言わなくても彼は良く分かってくださるみたいで結構助かっているのですよ。あ…!」
彼の答えにそう答えは魔女は、ふと気が付いた。自分ばかりが喋っていた事に…
「すいません!私ばかり話してしまって。知らない場所で不安でしょう?私でよかったらお話し相手になりますよ」
「お、お気になさらずに!(な…なんで、この俺が女の前で畏まってんだよ?!)」
八雲は魔女の温かい言葉に慌てて断りつつ、心の中でいつもじゃない自分に疑問を抱いていた。
それもそのはず…彼は――
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