魔女とヤンキー

2/3
1人が本棚に入れています
本棚に追加
/3ページ
 ☆・☆・☆・☆・☆・☆・☆ 「おらぁ!」  とあるところにある河川敷。そこで複数の高校生を相手に1人の金髪の少年が立ち向かっていた。そう…八雲だ。  しかし…人が多すぎた。 「ぐはっ…!」  八雲は、高校生達に腹やら背中やらを一斉に殴られ続けていた。  ただ殴られていたのではない。その後ろには小さくうずくまり怯えていた同級の女子生徒がいた。  実は…カツアゲをされているのに気づき、八雲が取り返そうと入ったら、返り討ちに遭ったのだ。 「ま…まだ…だ…」  一瞬膝をついたが、彼は小さくそう言い、立ち去ろうとした彼らの足を止めさせた。 「まだやんのかよ…?女みたいな名前の馬鹿が」 「その言葉、もう訂正しなくていい…」 「ほお…?」 「だが…1つだけ訂正しやがれ…」 「?」 「カツアゲした金をちゃんと――ブッ?!」  『その子に返せ』と言いかけたその瞬間…! 「ひ、姫咲くん!!」  女子生徒は顔を上げた。  彼女の瞳に映ったのは、腹パンをされ、2人ががりで川へ投げ出された八雲の姿だった。  そのあとからの記憶は、八雲にはない。  何故なら…目が覚めたら『ココ』に居たのだから…
/3ページ

最初のコメントを投稿しよう!