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「どうも、警部の鈴木です。話してくれる気になったかな?」
「……」
「うーん、喋らないとさ、君の無罪も信じれないのよ、ね?」
「……」
「血だらけの部屋でさ、お父さんお母さん、お兄さんかな?倒れていて君だけ無傷じゃあ……」
「……」
「そうとう傷はひどいものだよ、お母さんは口を縫われてるのかな?お父さんは目……どれも滅多刺しだ」
「……」
「君がしてないというなら、それは聞こう。君がしたのかい?」
「……」
「はあ……一言も喋んないのか」
「……指輪」
「え?」
「……拾って、触って、見て、わかることがたくさんあるのよ」
「はあ……?」
「汚いものも、綺麗なものも」
人生って、案外そんなものなのね
少女は、傷だらけの顔で微笑む。
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