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♪~
翻訳:日本語 元言語:English
終わりの見えない世界で僕らは見ていた
その先に見えるどこまでも赤く、黒く、濃い リアルを
そうしていつだって思うんだ。
「何が本当なのか」って
それでも僕は今日も日常という物語を再生する
決して見えてはいけない終末が見えるまで....
~♪
「みなと?私、楽しい 友達ってこんなにもいいものなのね」
「そうか。 それは当たり前のことなんだ 今までが異常だったんだよ」
「そうかー でも、今は彼もいて友達もいる」
嬉しそうに僕の腕に抱き着く凛に僕は、安心感というようなものを感じた。クールでいつも一人でいる彼女はいつも強そうだった。でも、こういう 儚く あざというのも悪くなーい
だがその時、僕らを邪魔するかのように スマートフォンが鳴り響く
「いいところなのに」
「誰?」
「Unknownだってさ」
ここはゲームの世界だからと気にもせずに電話に出ると聞き覚えのある声が聞こえた。
「やぁ 葉波 凛とイチャイチャしてるところに悪いが まじめな話しだ」
「スペースのトップが僕に?」
「そうだよ。今回君たちに意識を与えたのは 政府の計画があったからなんだ」
そういうとスペーストップは、僕に 政府が地上に出るための準備を進めていることや僕ら2人がデバッカーとしてゲーム内に登場させていることなどを教えてくれた。
「だが、デバッカーというのは建前だ。実際にバグが起これば君らが直すというのは嘘ではないが 真の目的が違う」
「真の目的?」
「そう。政府の暴走を止める安全装置なんだよ 君たちは...」
***
秘書が僕に話す
「さて、本題ですが RED SKYのデバッカーの二人には今回 意識を保持させています。未知の事象に備えてもらいます」
そう言ったのを覚えているのかと。
「もちろん 政府の実験だからだろ」
「違います」
「へっ?」
頭に手を当ててため息をつく彼女が僕の耳元で小声で話す。あまり他に聞こえてほしい話ではないようだ。
「いいですか? 政府はいくつもあるスペースを統治していますが 彼ら自身は何もしません。ただ、要求をする そしてしなければ ほかのスペースを使って無理やり要求を通させます。」
「だから?」
「自分勝手でゲームを操作されては困ります。もしかしたら、政府内でこのゲームの結果で賭けてたらどうするんですか?」
ー現実世界で、外の世界で、誰が? 最後まで生き残るのか...
「そうです。わかってるじゃないですか だから二人には最悪の事態に備えた安全装置なんです」
秘書は、デバッカーとしてゲーム内に入る二人を意識的に記憶を持たせて最悪の事態に向けて最低でも自分のスペースを保護することにしたいのだという。
「最悪な事態。つまり免疫が衰えた人間が3カ月もしないで 外の世界へ出たら?」
「死にそうですね?」
「答えはわかりません。ですが、そうなる可能性が高いのが事実です。加えゲームがどこまで現実的に人体に影響を与えるなんて未知数です。信用できません」
いつになく冷たい表情で秘書は言った。
「わかってますよね。これは、私たちの生命を保持する作戦なんです」
「わかった」
僕はそう言った。せめて僕らのスペースだけでも そう思ったのだ。
***
私とみなと君は 都市が見渡せるビルの屋上へと来た。
スマホからは、避難勧告だの汚染区域情報などが次々へとくる。だが、一方で人間はそれを喜んでいた。なぜかって?
「ゲーム内での死なんて怖くない。免疫が作られた!!」
というからだ。
だが、全ゲームユーザがゲームオーバーした時本来ならゲームが終了し僕らも現実世界に戻る中でなぜかゲーム内にいた。
「戻らないね」
「あぁ...見てよ だんだんと復活するユーザがいる」
点のように増えていくユーザ。驚いて見渡す様子だ。
―スペーストップ?なぜ、僕らのスペースの住民はゲームオーバーしないんですか
>決まっている。現実世界に戻れば 外へ出ることになる。だからだ
しばらくの間は、このゲーム世界で過ごすことになるのだ。
「そろそろかな」
「うん」
ビルの屋上からワイヤレスマイクを手に持ち僕はしゃべりだす。
防災行政無線から聞こえる僕の声にゲームユーザーが注目する。
>>皆さんは、生命という大切なものを守られています。しばらくはこのゲームの世界で過ごしてください。 現実世界に戻るとき、この理由がわかりますから
***
「なんでだっ!」
机をたたいて起こる大統領。周りにはいつもの大臣たちはいない。ただ、一人で薄暗い部屋でいる。
非常灯の明りで、見えるモニタからは街中が赤く染まっている。
大統領がいるスペースにもどこか生臭いにおいが充満していた。
そこに電話がかかってくる。
「なんだ。いや誰だ!」
「私です。RED SKYを作った」
その瞬間、大統領は顔を赤くして怒鳴りつけた。
「どういうことだ!免疫が 免疫がうまくいくんじゃないか」
「知りませんよ。僕は免疫ができるかもしれないから協力しろといわれたので協力しただけです。加えてゲームで免疫ができるなんておかしいでしょ」
免疫がなくなっただけでなく、考えることもできなくなったのですね そう言われるも大統領は何も言えずに座り込んだ。
「僕も調子が悪いんだ。 窓からの空気は冷たく新鮮でおいしかった。でもすぐに苦いと感じた。理由は知らない」
「後悔ならおひとりでどうぞ」
そう言って切れた電話に受話器をただ持つだけの大統領だった。
「まったく秘書の君がこのスペースを守ったんだ」
「ありがとうございます」
電話を戻して秘書の方を見ると嬉しそうに微笑む彼女がいた。
結果から言うと、秘書の言う通り この世界は散々なことになった。
街には真っ赤に染まった地面が広がり倒れる人たちの横を無慈悲にアンドロイドたちや自動運転車が踏みつけていく。
時折聞こえるグチャっ という音が聞こえるとこのスペース以外の人がここまで来たんだということがわかる。
幸いにも、このスペースの住民には何の影響も出ていない。
よかった。
ただ、手放しでは喜べないな...
***
ゆっくりと目を開くと、いつものように地下室の椅子に座っている。隣には目を覚ましていた凛がいる。 長い一瞬が過ぎたかのように 僕らは何も変わってはいない。
ただ、いつものようにゲームが終わったのだ。
「おはよう」
「おはよう また会えたね」
嬉しそうに彼女は笑い、僕は微笑んだ。
階段を上り、窓からそとを見ると目を背けたくて仕方ない光景が広がっていた。
道路や道には、赤く染まった液体が水たまりのようにあり、時折見える白いものは骨のようだった。ただ、形はすべてぐちゃぐちゃで原型はほぼない。
絶滅したと思っていたゴキブリや虫が周りにいる。
それでも、アンドロイドたちや自動運転の車はその上を平気に通り過ぎていく。
「どうだ?地獄絵図だろ」
「気持ち悪いですよ」
スペースのトップが僕にそういう。凪葉は横で何も話さない。
「いずれ僕らはこの外へ出なければならない。スペースがいつまでも健在ではないからだ。だからこそ、時間をかけなければならない」
凪葉が、でも という
「でも!ゲームが免疫を作るとか」
そういうも、トップは軽く言う
「エラーだよ。簡単なミス。 できる(CAN)とできない(CAN'T)が逆になっていたんだ。」
ー魔法少女が真実を求めていた
ーその魔法少女は、魔法が使えない でも、科学で証明できないんだから魔法だよね?
ーでも、私は強い。この世界で守ることのできる人物
ー私は秘書って呼ばれているけど
ー私が本当の魔女
ーでも、18歳だから魔法少女って言ってもいいよね
そうして、私は今日も赤い空を見ていた。
そうして、彼は 私にこう言った。
「君は変わらず赤い空を見ていた」
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