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「そう言うことだ」
蜘蛛の言葉に知生は目を見開き固まったが、直ぐに眠る朱姫の側へ行き、これ以上蜘蛛が近付かない様に立ち塞がった。
「そんな事…、させるか!!」
「ほう?邪魔立てするか」
「当たり前だ!!」
「フッ、人間がワタシに敵うはずあるまい」
言うなり、巨大な蜘蛛は知生に向けて透明な糸を飛ばしたが、それはあっさりとかわされた。
糸をかわした知生はどうするか考えていたが、視線を泳がせた先で朱姫が使っている机が目に留まった。
それに口角を上げると、勢い良く駆け出して椅子を持ち上げ、蜘蛛に向かって投げつけた。
ガンッ
「これでどうだ!」
「…甘いわ」
「なっ…うわっ!?」
椅子が当たり、怯んだかに見えた蜘蛛に知生は勝ち誇った。
しかし次の瞬間、蜘蛛は知生の足元に糸を飛ばして巻き付け、勢い良く引いた。
そのまま知生は床に倒されてしまい、のし掛かってきた蜘蛛によって身体に糸を巻き付けられ、全身を拘束されてしまった。
「くそっ…、取れねえ…」
「お前はそこで、黙って見ているがいい」
藻掻く知生に言い残すと蜘蛛は壁をのぼり始め、天井から床へ隅から隅へ移動しながら巣を作り始めた。
部屋の中央に大きな巣を作り上げると蜘蛛は眠る朱姫に近付き、朱姫を自らの身体に乗せて巣の中心部で知生の視線の先へと運んだ。
ゆっくりと背中から朱姫を下ろすと、張り付ける形で腕を糸で巣に固定させる。
そんな蜘蛛の行動を見つめていた知生は、藻掻きながらも朱姫を起こそうと叫び続けた。
「準備は整った」
「止めろっ!!朱姫、起きろっ!!」
「起きたところで無駄だ。この巣からは逃れられん」
知生の叫びを無視した蜘蛛は、朱姫の身体へ両前脚を伸ばすとパジャマに脚を掛け、力強く引き裂いた。
目の前の光景に知生は更に暴れ、声も一段と大きくなった。
その声に目を覚ました朱姫はしばらくはぼんやりとしていたが、目の前の巨大な蜘蛛の存在に気付くと青ざめた。
「朱姫っ!!」
「ん…、知生さ………え?」
「目を覚ましたか」
「………い…や…」
「逃げろ、朱姫!!」
「いやっ…、え?う、動けない…それに私…」
「お前は逃げられん」
「やっ、…いやぁぁぁぁっ!!」
知生の声に従い蜘蛛から逃れようと藻掻いていた朱姫は、不意に自らが裸である事に気付き、恥ずかしさと恐怖から動きを止めた。
しかし次の瞬間、蜘蛛が伸ばしてきた脚が朱姫の胸に直に触れ、嫌悪感から朱姫は涙を流した。
泣き叫び、懸命に藻掻く朱姫だったが、蜘蛛は気に止める事もなく、ゆっくりと自らの口を朱姫の首筋へと近付けていく。
「止め、て…。何、で…こんな…」
「ワタシの子をなして貰う為だ」
「子を…なす…?」
「お前はワタシの巣に掛かった。それ即ち、ワタシのモノと言うことだ」
「逃げろ、朱姫!!」
「い…、や…、子供、なんて…」
「フッ、恐れなくてもよい。じき、快楽が訪れる」
言いながら朱姫の首筋に噛み付いた蜘蛛は、そこから相手の動きを封じる液体を流し込んだ。
しばらくすると、それまで抵抗していた朱姫の身体から力が抜け始め、同時に口数も減っていった。
「…や…、め…」
「朱姫?おい、朱姫!!」
「効いてきたな」
「お前、朱姫に一体…」
「痛みを緩和させる為だ。耐えられなくても困るのでな」
「なっ!?」
「さあ、宿して貰うぞ」
上手く言葉も発せず、逃げることも出来なくなった朱姫を見つめた蜘蛛は、ゆっくりと朱姫の下半身へと移動した。
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