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その視線に気付いた蜘蛛は、触肢に更に力を込めると、少しずつ朱姫のナカへと押し込み始めた。
ナカを押し広げられるという初めての感覚に朱姫は目を見開き、小さく呻きながら悶えていた。
ツプッ
クチュ
ズヌヌヌヌ
「あっ…ぁ、ん…」
「むううっ!!」
「痛みは少ないだろうが、苦しいのだろう。かなり狭いからな…」
「ん゛ーっ!!」
身動きも取れず下から朱姫と蜘蛛の行為を見せられていた知生は、朱姫の呻き声に暴れ始めた。
しかし、蜘蛛の糸は全く緩む様子も千切れることも無く、知生は体力を消耗する以外、行動は無駄に終わった。
そうしている間にも、蜘蛛の触肢は朱姫のナカの奥深くまで入り込み、それ以上入れないことを知ると触肢の先端をぴったりと押し付け、先程吸い取った粘液を流し込んでいく。
ナカに蜘蛛の子種を注ぎ込まれると、朱姫の目からは多くの涙が溢れ始めた。
一方の知生は、蜘蛛を止められなかったことと朱姫を救えなかったことに苛立ちと無力感を覚え、口を塞いでいる蜘蛛の糸を噛み締めていた。
ズチュ
(朱姫…、すまねえ…)
「ふっ…ぅ…、もう、嫌ぁ…」
「もうじき終わる。ワタシの子さえ成して貰えれば、もうお前の前には現れん」
「うぅ…、あっ…」
「他の蜘蛛もお前に近付かなくなる。礼に、生まれ来る我が子達にお前を守り続けさせる」
「はぁ…ぁ…」
ヌルッ
「さあ、これで終わりだ。もうしばらくすれば、子供達が出て来るからな。それまでは少し休め」
朱姫のナカから触肢を抜いた蜘蛛は、くったりと横たわる朱姫を見つめながら、足を朱姫の腹に当てた。
その内に、ゆっくりとではあったが朱姫の腹が膨らみ始め、自らの身体の異変に気付いた朱姫が目だけを動かし腹部を見ると、まるで妊婦かと見間違うほどになっていた。
頭が働かないながらも、状況から事を察し、涙を零した朱姫。
間も無く、膨らんだ腹部が蠢き始め、蜘蛛の言葉通り一匹、また一匹と開いたままの朱姫の股の間から子蜘蛛が姿を見せ始めた。
グチュグチュ
「出て来たな」
「ふっ、う…、あ…、ああ…いやぁ…」
「良い子達だ。さあ、こちらへ来なさい」
朱姫が蜘蛛によって好きにされている様子を見てられず、目を背けていた知生だったが、異様な物音に何事かと視線を向けた。
そこでは、声を掛けた蜘蛛が、出て来たばかりの子蜘蛛達に駆け寄られ、少しずつ喰われ始めていたのだ。
あまりに異様な光景に、知生は目を見開き固まったが、このままでは朱姫が危ないのではないかと思い、またも暴れ始めた。
その姿が視界の端に映り、蜘蛛は身体を喰われながらも口を開いた。
「…大丈夫だ…」
「!?」
「この子達は娘は喰わん、母親だからな。それに、ワタシの想いもこの子達に宿る。安心しろ」
「………」
「…そして、お前の中にもな…」
「むぅ…?」
蜘蛛の言葉に知生が眉をひそめると、一匹の子蜘蛛が知生の身体の上に降りて来て、口元の糸を外し始めた。
更にもう一匹が降りてくると、その一匹は知生の口内へと入り込み、喉の奥に何か液状のものを流し込んだのだ。
吐き出そうと暴れる知生だったが、液体は喉を流れて行ってしまい、役目を終えた子蜘蛛はすぐさま口内を飛び出した。
「げほっ、げほっ…てめぇ、何を…」
「ふっ…、娘を守る為だ。お前の中にも、ワタシを宿す」
「俺の中に‘も’って、何でそんなことされなきゃならねえんだ!!」
「この身体では、不便でな…」
話している間にも、蜘蛛の身体はみるみる喰われていき、最期の言葉を発すると同時に蜘蛛の姿は無くなっていた。
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