番外編

6/7
2581人が本棚に入れています
本棚に追加
/257ページ
「ごめん。加奈子があまりにイケメン断定するから、言い出せなくて。それに、付き合ってる人とは言ったけど、彼女とは言ってないだろ。黙っててごめん。高校の時から、ずっと湊人の事が好きだった。湊人がいるから、就職もこっちでした。このマンションも、宝くじで買ったんじゃなくて湊人が二人で住む用にって用意してくれたんだ」 「ま、マジ・・・・・・?」 「そうだったの・・・・・・」  母も加奈子も驚きは隠せないようだけど、なんとか納得してくれた様子だった。  もっと順序立てて話して、挨拶に行きたいって思ってたのに全部ぱあだな。 「え、じゃあ、お兄ちゃんと湊人が結婚したら、湊人が私のお兄ちゃんになるってこと?」 「まぁ。それならお母さんは、湊人くんのお母さんになるのね。なんだか、ドキドキしちゃうわ」 「いや、結婚できないから」 「気持ちの問題よ。湊人くん、うちの息子をよろしくお願いしますね」 「え、あ、はい!」  二人は、終始騒ぎ立て、新幹線の時間があるからと慌ただしく帰っていった。  静かになった部屋で、湊人とソファに並んで座る。 「ごめんな、あんな形で会わせることになって」 「嬉しかった」 「え?」 「二人がさ、当たり前に受け入れてくれたの。息子だって言われたし。妹できたし」 「あー、馬鹿だろ。たぶん、相手が湊人だったからだよ。二人ともファンだし」
/257ページ

最初のコメントを投稿しよう!