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大天狗八人衆の中で一番若いのは華煌と吉津太郎だ。
それを逆手にとって、他の6人に尋ねる。
「ないね。問題になったことはない。」
真っ先に答えたのは峻妙だった。
新製品の開発や事業内容のコラボで、現在企画部は福利厚生部との距離をぐっと縮めている。
今回も事前に知っていて、商品開発や食品の試食などで協力してもらおうと思っているので、この場で華煌の案に反対する気はゼロである。
「まあ、女人と言っても先ほどから慧讃羅様がおっしゃる通り猿ですしね。無制限に呼ぶつもりもありません。陽態のサル園におけるボスを中心とした数匹と、ボスのお眼鏡に適った地位の高いメスを数匹を考えています。外見は、人間の女人のようになるでしょうねえ。」
「だからだな!」
「ですが猿ですよ、慧讃羅様。むしろ、女人に惑わされず。そういう意味での精神の修行。そう心がければよろしいのでは?これもまた修行の一環。獣であろうが女人であろうが心を乱さず。肉体のみならず精神も鍛えるよい機会として捉えていただけますとありがたい。」
「・・・・・・修行か。」
慧讃羅にとって「修行」「鍛える」というキーワードはなかなか有効である。
慧讃羅の反対が失速すると、勢いを盛り返しかけていた吉津太郎も反論し続け辛くなり再び黙り込む。
そんな慧讃羅に変わって意見を出してきたのは、財務経理部の計俊坊だった。
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