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その後、お休み処の利用方法や陰態に呼ぶ人数についてはおいおいつめていこうということになり、大将たち三人は現実の陽態に戻っていった。
華煌はそのまま薬草園を回り、福利厚生部に戻って仕事が滞りなく進んでいるか点検した。
すると、大天狗の一人がやってきて、華煌の留守の間に飯綱大権現より八人衆召喚の知らせがあったと告げられた。
「ああ、先ほど阿南子様のおっしゃっていた客人のことだな。」
緊急ではなく、召喚の時刻にも余裕があったので、華煌はゆっくり他の部署も覗きながら薬皇院の奥の間へ向かった。
途中、吉津太郎とばったり出会い、同行する。
「華煌、おまえこたびのお呼び出しについて、何か聞いているか。」
何も知らない吉津太郎は、緊張の色を浮かべている。
華煌は、お休み処の前で聞いた阿南子の言葉を、そのまま吉津太郎に教えた。
「そうか、お客人が。どこのお山から見えられるのだろう。」
「さあてねえ。俺はどこのお山というより、阿南子様がどのような宣伝をして回ってこられたのか、その方が気になる。株式会社という仕事が内からではなく外から評価されるのだからな。」
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