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「そりゃあね。今後は君たちの意思でいくらでも自由に出入りしてもらおうと思っていたし、厳選するけど数も増やしてここを利用してもらおうと思ったから。」
しかし、まだお休み処は工事が済んだばかり。
内装や細かい調整はもう少しというところだ。
華煌としてはそれを大将たちに使ってもらって、微調整をした後、彼らと彼らが選んだ猿たちを招いて利用してもらうつもりでいたのだ。
「で、今度来るってやつらはそんなに面倒くさい奴らなのかよ。」
若くてまだ天狗との距離感や礼儀がなっていない番長がずけずけと聞き、横の参謀に首根っこを捕まれて叱られた。
「大天狗様になんというご無礼な!そのような品格では、次期ボスの座は遠いですよ!」
「いってぇな!」
ガミガミと叱る参謀と、悪びれない番長。
うるさくてすまねえなと謝る大将に、華煌はけらけらと笑った。
「いやぁ、元気で何より。というわけで、今日は中を少し使ってみて、君たちの意見を聞きたい。それで直したり加えたりするところをチェックして、戸隠の来客に備えたいんだ。彼らが帰ったら、もちろん君たちに自由に使ってもらうから。」
俺が呼ばなくても自由に出入りしていいことにするからと華煌が言うと、大将は「まあ、そこはおいおいとな」と返した。
やはりボスで群れを統率する立場だけあって、慎重なところは慎重である。
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