ラブホのベッドに押し倒される

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絶叫し、相手が怯んだ隙にー胸いっぱいに空気を吸い込んだところで、何かを告げられる。 小さくて、よく聞こえなかった。 抵抗の手を一時休め、彼女は耳を澄ます。 「…え」 「…?」 「昨日夕飯食べ損ねたままだから、空腹で仕方がない。だから付き合え」 「付き合う、って」 ーどこに? ぽかんとした彼女の額を、彼は軽く小突く。 「朝飯に決まってんだろ。本当は松阪牛のステーキとでも言いたいところだけど時間も時間だし、今日のところはファミレスで我慢しといてやる」 彼女の両手の(かせ)を外し、体を離して、彼は屈託なく笑った。 「勿論お前の奢りでな、キョウコ?」 ーそれで、チャラにしてやる。

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