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「私はどうすべきなのだろう。坂本さんに全てを話しても許されるのかしら」
実のところ、肺呼吸よりもエラ呼吸の方が自然体でいられた。私の本当の種族は両生で、肺活量一つにしても地上と水中で記録が変動するためスポーツテストや健康診断の項目がかなり多彩だ。
その点、地球の人間という種族は単純明快だった。運動、知力、顔等々。人物の魅力をトータル的な数値化するにあたってわかりやすい基準が設けられていた。私たちの星では客観的な魅力に当てはめたデータを採取するに3日は必要となる。尤も、その明朗さが、この星において様々な悲劇の種にとなっているわけだが。
一人暮らしだとしても少々窮屈に感じる間取りだ。アランは長方形の部屋を対角に泳ぎ、8の字を書いて何度か身体を翻すと、重く、鈍い声で私に語りかけた。
「最初に言っただろう。この生活はかなり難しいのだと」
「覚悟していたつもりだった。でも、それ以上だったの」
「今はまだ気が滅入っているだけかもしれない。熱は下がったのか?」
「うん、目まいも収まったみたいだ」
移住する前にデータをかき集めた勉強机や本棚、クローゼット類は全てホログラムで精製されている。手を伸ばせば水面に腕を通すように肌を投下して、伴わない実態を露にさせる。
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