始まりと終わりの箱

11/22
前へ
/29ページ
次へ
手紙は続いている。 《あの日、僕は最後に「こんな別れ方でも、戻ってきてくれる可能性が少しでもあるなら、いつまでも待ってる」って、そんなようなことを言ったと思う。でもそれって、実際は保険かけてただけっていうか、島本さんには縛りでしかなかったなと》 そんなことない……! 叫びたいくらいに思った。 待っていてくれさえするのなら。 どれだけ時間がかかっても戻ろうと、戻りたいと思った。 それくらい彼のことが好きだった。 そう思うとまた涙が止まらなくなってしまった。 もうぬぐう気も起きない。
/29ページ

最初のコメントを投稿しよう!

47人が本棚に入れています
本棚に追加