始まりと終わりの箱

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それでも、私はゆっくりと体を起こした。 このままじゃ何も変わらない。変えることができない。 私は箱の中身を一つずつ取り出し、順番に並べていった。 この箱が届いたのは昨日のこと。 本当に大きな失敗だったと思う──宛名が間違っていないことだけ確認して、さっと受け取ってしまったのは。 あの時こそが、最初で最後のチャンスだった。 あのチャンスをつかめてさえいれば、こんな状況に陥らずに済んだはずなのだ。 別れたばかりの元恋人に、贈ったプレゼントを全部返されるなんて──。
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