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翌朝、母の元に、祖母が息を引き取ったと電話が入った。
私が会いに行ってから八時間後の事だ。
予想していた以上に早い終わりに、悲しむこともできない。
その日、祖母がすんでいた家にみんなで集まり、葬儀の日程などが決められた。
葬儀の前日、私は祖母に向けて手紙を書くことにした。
認知症になってから、今まで伝えられなかった気持ちを書き出す。
言えなかった思い――たくさんのありがとうを。
書いた手紙をお別れの時に棺に一緒に入れた。
心残りなのは、やはり生きているうちにもっと会いに行っておけば良かったということ。
別れはいつだって突然なのだ。
伝えたいことは、言えないまま、二度と会えなくなってしまうこともある。
――ごめんなさい。ありがとう。
――あなたの孫に産まれてきて、幸せです。
火葬を終えた祖母の遺骨は小さく、面影なんてひとつもなかった。
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