婚約破棄です

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 「だからパールが俺の正妻で、ミネアを愛妾にする話だよ。ミネアは俺を愛してくれているし、可愛いんだけど、上位貴族のマナーとか分かってなくてね。だから、社交や公爵夫人としてのアレコレは君に務めてもらえばいいや。って思ったんだ。  どうせ、新しい婚約者なんて居ないだろ? 君、俺の事が好きなんだし。大丈夫。ミネアは説得するから。  で、子どもはミネアに産んでもらって、君が育てれば良いよ。俺は社交や公爵当主として以外はミネアと過ごすから、君も好きに過ごしてくれて構わないし。良い案だろ?   君が俺のお願いを聞いてくれていれば、ミネアは上位貴族のマナーとか、覚えられたのに、君が俺のお願いを聞いてくれないからさ。これくらい、妥協してくれても良いよね」  余りにも自分勝手で酷い。本当にこの方が私が大好きだったライアネットー様だろうか。私をなんだと思っているんだろう。ここまで頭の中がお花畑だとは思ってもみなかった。  周りもライアネットー様のこの自分勝手さに、眉を顰めている。そして、随分と私に同情してくれているらしい。痛ましげな視線が私に向けられている。  「あの。ライアネットー様、お言葉ですが。私はもうライアネットー様の事を何とも思っておりませんし、ライアネットー様の正妻を件は、公爵様直々に無し、というお言葉を頂いております。  確かに未だ新しい婚約者はおりませんが、だからといって、ライアネットー様と結婚は有り得ませんわ。そもそも、ライアネットー様が婚約破棄を申して来ましたのに、再び婚約、ましてや結婚なんて無理ですわ」  私が一気に否定すると、ライアネットー様が眉間に皺を寄せた。  「君は俺のお願いを聞いて来たのに、また聞いてくれないのか」  「私は大好きだったから聞いて来ました。それに婚約者でしたから。でも、大好きで婚約者だからといって、なんでもかんでも聞き入れるのは間違いだった、と今は思っています。でも、もう婚約破棄をされた私が、ライアネットー様のお願いを聞く必要なんて、どこにも有りませんわ」  「だから、また婚約してやるって言ってるんだ! 結婚してやるんだから、俺の願いを叶えろよ!」  こんなにも聞く耳を持たない方にしてしまったのは、私にも責任が有るのかもしれません。ですが、もう私はライアネットー様のお願いは聞く気は無いのです。さて、困りました。どうしましょう? と思っていた私に、お父様がやって来ました。
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