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そんな両親に強烈な憧れを抱いている私の名前は三並 結愛。歳は二十四歳。
母と母の親友の美子さんの母校でもある、私立の女子校を幼稚舎から大学まで過ごし、父が社長の南輸入会社の秘書課に勤務をしている。
いわゆる社長令嬢という存在だ。
社長令嬢となれば甘やかされて楽な仕事をしているだろうと思われがちだけど、社長である父から「南輸入会社の一社員として、恥ずかしくないように徹底的に鍛えてくれ」と秘書課の室長の美子さんにお達しがあり、私は秘書課の一員として毎日フルスロットルで働いている。
今日もそんな激務が始まる月曜日の朝。
月曜日の朝は母が焼いたパンの匂いで私の思考は睡眠から食欲にガラリと変わり、パチッと目が覚める。
「……いい匂い。お腹空いたー」
真っ白な枕カバーに顔を埋めながら独り言をこぼし、もぞもぞと顔を上げる。
母の作る料理はどれも全て美味しいから、私は幼いころから外食よりも家で食べる料理の方が好きだ。
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