●第一章●

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「ほら、起きて!」 だからといって、姉である私にそんな甘えは聞くはずもなく、弟の言われたとおり遠慮なく布団をはぎ取り、無理矢理起こした。 「もっと寝たいよー」 「ダメよ、お母さんも朝食を作って待ってくれているんだから」 「どうせパパと朝から仲良くやってるんだから、急いだってお邪魔なだけだよ」 「そ、そうかもしれないけれど!」 愛莉の言い方だと語弊があるけれど、両親の仲睦まじい姿を見るのは私は嫌じゃない。 それどころか、自分の理想の将来像でもあるから、いつか私もあの人とこんな夫婦になれたら……と理想ばかりが頭の中にめぐる。
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