音程のずれた蓄音器

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音程のずれた蓄音器

歌の大好きなお婆ちゃま。 午後のレクレーション前に他のお爺ちゃま・ お婆ちゃま・皆さんの前で一曲披露してくれました。 お年寄りの好む歌なのですが、 歌い進むにつれ、テンポが段々速くなったり遅くなったり。 歌詞だけしっかり聞けば何の歌か理解出来るんですが、音程で聞いてると全く判らない!判らないんだよ〜! 何の歌?何の歌?と職員同士で確認しあう。 お爺ちゃま・お婆ちゃま達は 「なんの歌だったかしら。」 「なんだろうなぁ。聞いた事があるような。」 と、、、、、、。 と、あるお爺ちゃまが 『これはあれだ、音程のずれた蓄音器だ!』 と、 職員一同、「ブホォー!!!!」一斉に噴き出す。 理解出来たお婆ちゃまは、お腹を抱えてる。 そして、歌い切ったお婆ちゃまは、何食わぬ顔でニコニコしてました。 この後、他のお爺ちゃまお婆ちゃま達から この歌を唄ったお婆ちゃまのあだ名は《蓄音器さん》となりました。 たま〜に、夜中に歌ってくれるんですけど、お経に聞こえる時があるので、夜中に唄うのは控えてほしいです。
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