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桜の木の全体を撮ってみた。
何か違う。見た感じの桜ではない。
うっすらと白いのはオーブではなく、桜。
けっこう咲いていた。
春の桜と比べれば少ないが、それでもかなり咲いていた。
なんとかこの寒い冬に咲く、薄紅の桜を思ったように撮りたい。寒さと和がばっちりとはまったファンタジーな絵が欲しい……。
そんなことを思いながらパシャパシャ撮っていると、リスが戻って来た。この十月桜に気づいたのは、リスが枝をかじっていた音があまりにも大きかったためだった。
(桜もいいけど、俺様のことを忘れてないか?)
と言わんばかりにちょろちょろする。
(リス、撮れたら可愛くないか?)
そう思い、リスがいた木の写真を撮る。
リス、速すぎ……。
構えている間に木の枝をすり抜けていく。
リスにピントを合わせようとスマホの液晶をポンポン叩く。
ばっちりと木にピントが合うがリスはいない……。
そんなことをしていたら、空にピントが合った。
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