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その夜。
いつもより早い時間にコータの父親が帰ってきた。
「ただいま。」
母親が答える。
「おかえりなさい。早いなら言ってくれれば良かったのに。夜ご飯、コータと先に済ませてしまったのよ。」
コータに緊張が走る。今夜は何でこんなに早いんだろう。テレビ、見れないかも。
母親にも不安の色が。但し、きっとこれはいい機会だ。風呂から上がり、夕食を終えるのを待つ。今夜は酒を飲んでいないのも都合がいい。
ようやく夕食を終え、いつにも増してピリピリした空気の中、
「コータ、母さん、ちょっといいか?」
意外にも声を掛けたのは父親だった。
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