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今日もハヤトは古びたバスケコート前のフェンスに寄り掛かっている。
大丈夫だ。
男バスも女バスもいない。
ちらりと校門の方を見ると、黒と茶色がバラバラの場所にいた。
あいつら何やってんだ?
「来たぞっ!」見張っていたコータがリョウの方に向かって叫んだ。
「わっ、分かった!」すると、突然リョウが角から飛び出し、校門から出てきたアカネの前でビターンと転んだ。
「えっ?あっ、大丈夫?」
リョウは何ごとかをアカネに話すと、アカネが声を立てて笑っていた。
一部始終を遠くで見ていたハヤトが呆然としている。
はぁ?
リョウは立ち上がると、真っすぐコータの方へ駆け寄る。なんだ。走れんじゃん。
アカネがこっちへ向かってくる。えぇっ?ってまぁ、帰り道だから当たり前か。
でも、何か変だ。こっちを見ているような気がする。
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