言えなかった言葉

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 おねえちゃん、そこまでは言える。なぁに、そう言って目線を合わせてくれる。そこからわたしはなにも言えなくなる。たった一言なのに。なんでだろう。だってわたしにはそれが必要だった。  目線まで合わせてくれる優しいおねえちゃん。そのやさしさに頼ってはいけないと、そう思ったのだろうか。いけないというわけではないかもしれない。頼れなかったのだろう、どうしてかわからないけれど。
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