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 土曜の夜、20時。指定された時間の5分前に着いたが、校門には人影が2つ見えた。 「すみません、遅れました!」  見学の時、僕らにあれこれ説明してくれた先輩の横に、1年生の無愛想君が居た。先輩が小柄ということもあるけど、改めて並ぶと僕らより頭半分は長身だった。 「いや、大丈夫だよ。俺らが早かったんだ。ええと、斉城(さいき)北斗君?」 「はい」 「じゃ、揃ったところで、行こう」  校内は、まだいくつも明かりの点る教室がある。理科室も、その1つだ。僕らは1階の警備室に寄って、時間外施設使用届に所属クラスと名前を書いた。  理科室には、全部員――12人が揃っていた。 「今夜は、お試し会だけど、このまま正式入部してくれると嬉しいよ」  3年生の永濱(ながはま)部長が笑顔を見せた。  春先ではあったが、教えられたように防寒着にしっかりと身を包み、先輩方に続いて屋上への階段を上る。夜の校舎というシチュエーションは、小学校のお泊まり会を思い起こさせ、期待と緊張に胸が高鳴った。
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