フードバトル(生き残るのは誰だ)

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「春生くんたち、何を相談しているの?」 優香ちゃんが声を震わせて話しかけて来た。 「ああ、ゲームについてさ、誰が有利かなーって。優香ちゃんは何て答えたの?」 「わたしは寿司」 なんと、寿司、寿司はかなり有利だろう。優香ちゃんは何を怖がっているのか。 「寿司なら良くない?僕、毎日寿司だっていいよ」 「えー、でもね、握りじゃなくて、助六って言っちゃったの。絶対に太るって」  うーん、死ぬかもしれないのに太ることを気にするなんて女子って凄いな。何はともあれ、僕は唐揚げだけで生活していかなければならない。胃薬を持っていればよかった。  みんなでワイワイガヤガヤ相談していると琴音ちゃんがまた教壇に立つ。 「はーい、みんな。お喋りはストップ!今日からここで生活してもらうので、これから夕飯を配ります。あっ、人のものを貰って食べたりしたら、その場で射殺しますよ」  えっ、それは大変だ。ブロッコリーとチョコレートは特に・・・。僕は唖然とした。  何時もの仲良しグループで机を合わせて料理が来るのを待つ。自衛隊の服装をした人たちが名前と顔を確認しながら料理を配った。僕はクラスに入った時からバーコードのカードをネックストラップで付けられていた。自衛隊の人はそれを読み取ると、唐揚げを5つ置いた。 「お替りは自由なんですか?」  琴音ちゃんが目を光らせてこちらを見る。 「春生くんは唐揚げなら、いくらでも食べて構わないよ」  大樹くんがブロッコリーを前にして腕組みをしている。 「マヨネーズは貰えるかな?」 「そうだね、調味料は特別にヨシにしてあるよ。あっ、それと水も自由、水が無いと死んじゃうもんね。あっ、みんな死ぬのか。うふふ。大きいウオーターサーバを置いておくんで、好きなだけ飲んでねー」  琴音ちゃんは上機嫌だ。見ると幕ノ内のお弁当を食べている。 「琴音ちゃん、ズルくない?」  僕は立ち上がって言った。 「あのね、監視役は何を食べてもいい決まりなの。文句があるなら政府に言ってね。生き残ったらの話だけど」
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