トマトの神様

13/14
前へ
/14ページ
次へ
「あっ、いつもお姉さんって言ってしまってるけど、名前聞いてもいい…ですか」 「いきなり敬語とかっ、やっぱりトマトの神様は面白いね 私は舞衣っていいます」 「舞衣ちゃん! 俺はトマトの神様じゃないっちゃよ 輝人です」 「名前まで輝いてるんだね、キラトくん」 「いや〜、名前負けですよ」 と照れながら、ニッと私の大好きな笑顔で笑った。 「あっ、バンドのメンバーの人待たせたら悪いね、もう行ってね」 「そうやな?!でも舞衣ちゃんともっと話したかったけん! あー、でも、うん、またいつものコンビニで!」 そう言って、ぶんぶん手を降って行ってしまった。 赤い後ろ姿を見つめながら、しみじみと研修最終日にいいことがあってよかったと思った。
/14ページ

最初のコメントを投稿しよう!

45人が本棚に入れています
本棚に追加