トマトの神様

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彼に出会えたからではないはずだけど、今日はいいことが続いた。 エリアマネージャーが来店して、私に店長候補の話があると聞かされた。 年齢は26歳。 ただ、そろそろ適齢期なだけなのかも知れない。 それから、暫く会えていなかった彼氏と、明日会う約束が出来た。 思えば、一カ月程すれ違いで会えていないと気づく。 そんなことがあり、気持ちの余裕があった私は、接客も上手く行ったし、なんだかやっぱり、赤い彼のおかげと思えて、一人でニマニマしながら帰り道を歩いた。 遅番で帰ると、帰宅時間は10時を回る。時間が遅いことと、気分がよかったことで、いい大人なのに道の縁石の上を平均台のように歩いた。 誰か見ていたら、さぞかし滑稽に見えるだろうと思ったけど、そんなこと関係ないくらいに気分がよかった。 鼻歌まで歌う始末。 我ながらヤバい奴と思い始めたとき、朝のコンビニから赤い彼が出て来て、今日二度目の出会いに、思わず「あっ!」と声が出てしまった。
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