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 翌日、街中を良晴と歩きながら恵子は突然、声を荒げて言った。 「やだー!このマフラー。もっと良いの買ってよ!」 「えっ、気に入ってたんじゃなかったのかい?」 「だって情けなくなるんだもん」 「どうして?」 「だって他の人たちのどのマフラーよりも安もんなんだもん」 「何でそんなことが分かるんだい?」 「どうしたって分かるわよ」 「隣の芝生は青く見えるという心理じゃないのかい」 「そんなんじゃないわよ。実際に安もんなんだもん」 「そ、そうか、確かに・・・」と良晴は言いながら少し俯き加減になったかと思うと、観念して言った。 「しょうがない。少し奮発するか」  すると、恵子は得意そうに言った。 「安物買いの銭失いってところね」 「そうなるね」  結局、恵子が見栄っ張りな上に我儘だから良晴はなけなしの金を浪費することになるのだ。
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