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7月27日 縛愛。
ひたりと小さな足音が耳を打つ。
塞がれた視界の中、その音だけであの人が来たとわかった。
ドクドクと心臓が脈打つ。期待に胸が震える。
ああ、あの人がぼくを見ている。
「いい子にしてた?」
低くかすれた声に笑みが混ざっている。
はしたないぼくの姿を嘲笑するかのように。
あの人のことを想うだけでぼくの中は潤い、薄汚れた欲望はとめどなくこぼれ落ちる。
縛られ自由を奪われながらも足の間の欲望は何度も弾け床を汚した。
「そんなに僕が欲しかった?」
顎を上げ涙に濡れた顔をあの人が舐める。
それだけでもう一度。
ぶっかけられた白濁を受け止めて、あの人が笑う。
その声に果てない夢を見る。
どうか嬲るように愛して。
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