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 長いキスを経て、熱が離れた。唇を繋ぐ銀の糸がプツンと切れる。  浅い息を繰り返す間、はぁ、と善さんの熱い息がかかった。  善さんは口の端をあげる。  「それなら、今のは『今年初めての大人のキス』?」  子供の冗談に冗談で返すような言い方。でも、その言葉を聞いた途端、全身が火照るような感覚に陥る。  「うぅ……恥ずかしいよ……!」  「唯が言ったんでしょ?」  目を三日月のように細める善さんは笑顔だ。  「そうだけど……」  目を逸らした途端、耳元で囁かれる。  「恥ずかしがってる唯、可愛いよ」  「っ……!」  善さんの甘い言葉が鼓膜を揺らす。  思わず手で耳をガードしてしまった。
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