姫はじめ（？）

23:53

　紅白歌合戦を見て、そのまま行くとし来る年を見る。なんて至福のひとときなのだろう。
隣で座る善さんは、穏やかな表情でテレビに目を向けている。呼吸に合わせて、広い胸板が上下して、自分との体格差を感じさせる。

　野球部として鍛えていた身体は、今も引き締まっていて、とても三十路とは思えないほどだ。中学時代は「マネージャーと選手」として関わっていたけれど、今は「夫婦」という関係に変化した。
　大変なことは多かったけど、二人三脚でこれまで頑張ってきたつもりだ。
壁にぶつかるごとに、いかに私がどれほど未熟かを思い知らされて、とても辛かった。
　それでも、私も少しは成長したはずなのだ。

　……一応、体も……？

　なんとなく、胸に手を当ててみる。
　……昔よりは膨らんでいる、はず。
　そう信じよう。

　それは、置いといて……。