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女性は、ステッキを思いっきり地面に突き刺す。
地面から血が吹き出し、「領主」の悲鳴が上がる。
「日本最強の除霊師!水月灯(すいげつともり)様が!お前の相手をするためにわざわざここまで来てやったぞ!」
地面を突き破り、領主が飛び出す。
上半身を人間の姿に変形させ、刀を握る。
「この!無礼者がぁ!!」
灯は、シルクハットをステッキに引っ掛けると、コートから扇を取り出した。
領主は蜘蛛の足でジャンプし、灯に刀を振り下ろす。
灯は軽く体をかわすと、領主の刀を持つ手に扇を叩き付けた。
「ぐう!?」
領主は刀を取り落とすと、手を押さえる。
「も、ものども!出会え!」
叫びに呼応して、地面から異形の侍が大量に出現した。
身体が腐っているもの、半身が蜘蛛と化しているもの、猿のように毛が生えているもの。
灯は大群に囲まれながらも、不敵な笑みを絶やさなかった。
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