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ガーザスにて
真インセンス帝国。
『パラディンの変』から約3ヶ月、
旧グリーフ王国分の領土が拡がった国家は少なからず新たな体制へと変わる。
『ソレイユ』、『ガーザス』、『ヤハウェイ』を『三大都』とし、それぞれに管理者がついた。
ソレイユにはポセイダル・ドラゴン、皇帝のいるヤハウェイにはガーランド・シエンとペルト・シェアード。
そしてかつて国境であったガーザスにはシャイン・パラディンが君臨している。
ここに都を開発し、後に新たな『帝都』を創るつもりなのだ。
インセンスが制圧した際に既に拠点化されていたこともあってか、都化は段取りよく進んでいた。
現在はソレイユとヤハウェイを繋ぐパイプ役を果たしており、物資や食物が流通している。
そしてこの日、ソレイユへ物資を運ぶべく、軍が動いていた。
インセンスと旧グリーフ王国軍の合併部隊である。
「おい、早く荷物を積め。明後日には隣国の『バーバラ』に奇襲を仕掛けなくちゃならねぇんだ。準備の時間が足りねぇ」
隊を指揮する男は忙しく部下を煽る。
「申し訳ありません…!物資の量が多くてなかなか…」
「俺に説明してるくらいなら身体動かせ!」
「は、はい!」
一般兵とそんなやりとりをしている男にもう1人兵が駆け寄って話かける。
「侵攻ルートの確保がまだ不十分です、正直1日遅らせた方が良いかと…」
「ああ!?スレッグの奴は何やってる?ドラゴンさんと連携とってなんとかしとけって言ったろうが!」
「そ、そんなことをわたしに言われましても…。お気を鎮めください、コールアウト"総隊長"…!」
指揮を取っていた男はコールアウト・エピだった。
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