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翌日、学校から戻った私の足は再び地下室へと向かっていた。
生徒たちとも先生とも、必要最低限の事務的な会話をするだけの学校生活。
両親の離婚や、その後のふさぎ込んだ私を知らない人が大半とはいえ、肝心の私自身があまり交流しようとしないものだから自然と教室では浮いてしまう。
ウジウジしてばかりなのが馬鹿みたいだなんて理解してはいるけれど。それでも私は、他人が怖いんだ。怖いままなんだ。
そしてそんな私が無知なアンドロイド相手に偉そうに振舞うのが滑稽なのも承知だ。まるで店員やSNS相手にだけ偉ぶるようにみっともないことだとわかっているけれど……。
階段を下りながらそんなことばかり考えてしまう。きっと勉強と、教室で過ごした気疲れのせいだろう。
地下に降り立ち、物置部屋のドアノブを捻る。ドアを開けると、今日は遠慮なく内部に踏み込んだ。
昨日調べた結果、充電器に近づくとアンドロイドが自動で起動する「お出迎え機能」というのが備わっているらしい。それを知っていればもう驚くこともない。
電子音が鳴り響き、充電器のガラスケースが開く。また前回のように「おはようございます、ご主人様」とのぞみがお決まりの台詞を投げかけてくるのだろう。
そう思ったのもつかの間、立ち上がったかと思うとのぞみが無言でこっちへずんずん歩いてきた。それもがに股で、男みたいにだ。
「ちょっと、のぞみ?」
予想外の行動に気圧され、私は距離を取る。構わず歩みを止めないのぞみ。
とうとう私は壁際まで追いやられてしまった。
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