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軽い虫垂炎なら、術後すぐに退院できるのですが、腹膜炎を起こしかけていたので一週間以上も入院するはめになりました。
無事に退院できたものの、この年は色々ありすぎて、今振り返ると当時は母の前厄年でした。
厄年って怖い。
父も暫くしてから職場復帰し、私も傷は回復して、日常生活へと戻っていきました。
相変わらず毎日睡魔と戦いながら、部活をしているか寝ているかだけの日々。
そんな日々を繰り返し、中学三年生へ。
中間テストも期末テストも酷い有り様で、夏休みは補習授業を受けていました。
私達が3年生の時には、そこまでバレー部も強くなく、早々に部活を引退。変に強くなって、県大会、東海大会、全国大会などといつまでも部活を続けるのは辛いので、さっさと負けてくれてよかったと思わずにはいられませんでした。
私はベンチでしたけれど。
素直にレギュラー陣を応援できないのだから、卑屈になりながら嫌なことを続けるのはよくないのだなと思います。
地獄のような部活が終了したかと思えば、目の前に控えているのは受験。
どこの高校に行くかなんて皆悩んでいました。やりたいことが明確になっている子の方が少ない中学生。
ただ、職業の種類を知らなすぎた気がします。
今になって思うと、将来なりたいものを目指すためには、高校選びから重要になってくると思うので、職業についてももっと教えてくれるべきだと思うのです。
どうせ子供だからと、詳細はわからないまま、漠然とどんな仕事に就きたいかなんて言われても、14、15歳に全て丸投げはいかがなものかと思うのです。
私の場合、この時点で介護士になると決めていたので、他の職業を考えるつもりもなく、目を向けませんでした。
しかし、職業にはどれくらいの種類があり、どの職業に就いたらいくらくらい稼げて、そのためにはどこまでの学歴が必要か。
月々の生活費がいくらかかり、大体の月給でどれ程の生活ができるのか。大まかな一覧表でもいいので、そういったものを学校で配布してくれたら嬉しかったなと思います。
たかが14、15歳ですが、ちゃんと説明すれば理解できる年齢ですし、教師が今後の生活を保証してくれるわけではないので、選択肢として提示してくれればいいのにと思います。
もちろん、子供の成長を見守るのは親なので、親がそこまですればいいと言われてしまえばそこまでですが……。
ただ、世の中には私のように幼い頃は貧乏だったり、親が保険や税金を払わないところもあります。
親が国民としての義務を果たせていないのに、その子供が中学生の時点で人生を選択していくのは、困難なように思います。
子供は、親を選べないので、自立していく上でその筋道を作ってくれる他の大人が周りにいてくれたらいいなと思ったのです。
家でどんな扱いを受けているかを全て学校側が把握するのは、当然無理です。しかし、全ての生徒が平等に自分の将来の選択肢を拡大できる環境作りができていれば、生徒も義務教育終了後、自ら選択して自立していく力を養っていけるような気がします。
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