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第3章:ライバルはどの勝負でも必要だ。
次にロクさんに会ったのは『制服を脱がせて。』の衣装の打ち合わせだった。
俺と澤田さんは遅れて現場に着いた。
もう既にロクさんと美海ちゃんは演出家やスタイリストさんと打ち合わせを始めている。
「洸紫くん。採寸いいかな?」
スタイリストさんに呼ばれたので俺は打ち合わせに参加せず大人しく体を図られる。
「筋肉すごいね。トレーニングしているの?」肩周りを図りながらスタイリストさんは質問してくる。
「特にしてないです。元々筋肉質なんです。ちょっと運動したら筋肉がついちゃうからあまり動かないようにしているんですけど。」
これは本当だ。東北の劇団でも俺はいつも道具運びだった。
洸紫に持てない大道具はないと言われてた。
「へえー。いいわね。衣装入らなくなったら困るから気をつけなくちゃね。」
あっという間に採寸は終わり、俺は急いで衣装打ち合わせの会話に入る。
俺なしで始めたのは美海ちゃんが着る制服を話し合うためだ。
ブレザー、セーラー服、ボレロと3種類。
セーラー服はロクさんがくれた物語で主人公が着ていたやつだ。
「どれがいい?」と意見を求められたのでボレロを推すとロクさんに「脱がせ方わかる?」と質問された。
わからん!そこまで考えて発言しなくちゃいけないんだ。
美海ちゃんはブレザーが一番いいと言って結局それになった。
これ着た美海ちゃん可愛いだろうな〜。想像するとニヤけてしまう。
視線がバレたみたいで、美海ちゃんは若干警戒した目で俺を見る。
ロクさんはその様子に気づかず俺に「この間の続きだよーん。」と数枚の紙を渡してきた。
「ちょい出し方式なんですか?」と聞くと「いや読みたいなら一気に持ってくるよ。」と言われた。
「意外にすぐ読めたんです。すごく刺激的な内容で。」正直に感想を言うとロクさんはエヘッと笑う。
「新しい登場人物が出るから、澤田さんあたりをイメージして読んでよ。」ロクさんはまたもやアドバイスをしてきた。
なんだかちょっと嫌な予感がするが俺は彼のアドバイスに従う事にした。
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