神が居ない世界の末路

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神が居ない世界の末路

 信仰、それは神を崇拝する行為。  又は都合の良い偶像として、でっち上げられる神を崇めさせる虚構。  そのどちらも本当の神が存在しなければ成り立たない。  何故ならば、神が存在しない世界は消滅してしまうからだ。  文字通り星もろとも。  そして今正に神が存在しなくなった世界が現れた。 ~神界~ 「不味いですね。神が殺されてしまいました。あの世界は間も無く消滅します」 「参ったな。新神に任せたばかりで神気がまだ未熟な時に、魔王が神に闘いを挑んで来るとは。情報が漏れていた?」 「今はそんな疑念を抱く前にしなければならない事が有るでしょう?」 「判っている。既に手は打ってある」 「猶予は半年しか有りませんよ?」 「間に合わなかったなら消滅は免れない。死に物狂いで試練を乗り越えて神に昇格してもらわなくてはなるい」 「神を作り上げるのに必要な犠牲とは判っていますが、私の世界から幾人も拐わないで頂きたいものです」 「神格がなければ、そもそも神に成れないのだから仕方無かろう。神の依り代、そう創られた存在がソナタの世界で産み出された人間なのだから」 ~地球~ 「はぁ。今日もスロットで、なけなしの小遣いがパアかよ」  俺はアルバイト暮らしで稼いだ給料を使って懐を暖めるべく、休みの日にギャンブルに挑戦してあえなく撃沈。 「又、来月の給料日迄家で寂しく無料ネットの生活かぁ」  死に別れた親の遺産は古い一軒家だけ。  生活する為の金は、アルバイトをするだけで賄える程度。  大学の受験に失敗して浪人暮らしの途中で親が交通事故で亡くなった際に、保険金が支払われてローンが払い終わった家が残ったのだ。  築30年でローン完済が40年とか、子供の金まで当てにしてたのかよと突っ込んでやりたかったが、死んでしまったのでもう出来ない。  明日のバイトは午後出勤だから夜更かししても問題ないかと、家に着くやネットを繋いで面白動画を見始める。 「俺の人生、このままダラダラと過ごして終わるのかね・・・」  動画を見ながらふと思って呟くが、家の中には俺独り。  誰かが応えてくれる筈も無く、夜は更けていった。 「ん? 何だこの動画。面白動画のタグ付いてんのに笑所が無いじゃないか」  俺が今観ている動画は、ド派手なエフェクト盛り盛りのバトルシーンだった。  神聖な姿で白い翼を生やした者VS漆黒の翼に角と尻尾を生やした者のアクション物で、最後に勝ったのは見た目的にも悪い方。  どう考えてもバッドエンドなのに何処が面白いのだろう? 「何々? この世界を救うには新たな神が必要。貴方も神になれるチャンス。今すぐココをクリック・・・って、何だよこの釣り動画。バカにしてんのか?」  しかし、俺は何故だかその先を見たくなりクリックしてしまう。  すると突然画面が輝きだし、部屋が光に包まれる。そして眩しくて閉じていた目を開けた時、其処は俺の部屋では無かった。 「よくぞ来た。新たなる神候補よ」  目の前には何やら古めかしい衣装に身を包んだ厳ついおっさんが居た。  背後にはとても見目麗しい美女が控えていたが、声をかけてきた事とインパクトの点でおっさんの方に目が行ってしまった。 「お前には二つの道が有る。神となって世界を救う道か、神になれず世界と共に消滅する道か。生き残りたくば、神となるしかない」 「・・・は?」  いきなり究極の二択を迫られた。  何だよその極端過ぎる道は!?
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