目覚めた子犬

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 朝もやの中、ケミーは誰かに叩かれたような気がした。  ーー誰だろう?  薄く目を開けると、茶白色の猫が大写しになって目に飛び込んできた。  「ねぇ、アナタ迷子になってるでしょ?」  茶白の猫は言った。  「何でわかるの?ボク、いつの間にかここにいたんだ」  ケミーは仲間が現れたことで声が震えてしまった。  「わたしはミィ。この世に住まうゆうれいネコよ。アナタもそうなんでしょ」  「ボクはケミー。いつの間にか死んじゃってたんだ。どうしてボクは死んじゃったんだろう?」  「どうしてかしらね。死んでしまったなら、やることは二つ。成仏するか、この世に残るか」  ミィはじっとケミーを見つめている。  ケミーはふーっと息を吐き出して言った。  「ボクは天国に行きたいよ」  「それなら私の寝床についてらっしゃい。そこで色々お話しましょう」  ケミーは嬉しくなって、ワンワンと吠えてしまった。  ミィは行くわよと言って、ケミーを公園の外へ連れ出してくれる。  どきどきする。  ケミーは公園の木立にゆらゆらと影が揺れているのを見てギョっとした。  あわててミィに付き添って歩いていく。  ミィがいるから心配いらないよね。
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