お千代の過去

5/5
123人が本棚に入れています
本棚に追加
/93ページ
「えっつ!忠太郎が万引き犯を捕まえたの? すごい」  驚く多恵子だった。 「う~~ん、よく分からないけど忠太郎は雷に打たれて 体内に流れて帯電した、蓄電したのかも・・」  昔多恵子はテレビのワイドショーで電気を通す 人間を見たことがあった。電流が流れても何とも感じない、  電気を帯びた身体で紙に触れると火が点いたのだ。 「あたいも、痴漢の手を掴んだ時なんか感じたよ、 電気というより心地よかった、怒った時そうなったの」 「電気を蓄電するというより発電する能力を授かったのかも、 そうなると重蔵も・・」  危険を感じる多恵子だった。 「それはどうか分からない、あたい重蔵に抱き付いて 崖から飛び降りたけど、途中で気を失って離したと思う、 だから同じ場所に落ちなかったし、雷に打たれたかどうかも分からない」 「どっちにしても奴は今風に言うと人を殺しても何とも思わない サイコパスだと思うし近くにいる、でお千代ちゃんを 探そうとしてるのかも・・・」  重い空気に包まれる二人だった。
/93ページ

最初のコメントを投稿しよう!