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「えっつ!忠太郎が万引き犯を捕まえたの? すごい」
驚く多恵子だった。
「う~~ん、よく分からないけど忠太郎は雷に打たれて
体内に流れて帯電した、蓄電したのかも・・」
昔多恵子はテレビのワイドショーで電気を通す
人間を見たことがあった。電流が流れても何とも感じない、
電気を帯びた身体で紙に触れると火が点いたのだ。
「あたいも、痴漢の手を掴んだ時なんか感じたよ、
電気というより心地よかった、怒った時そうなったの」
「電気を蓄電するというより発電する能力を授かったのかも、
そうなると重蔵も・・」
危険を感じる多恵子だった。
「それはどうか分からない、あたい重蔵に抱き付いて
崖から飛び降りたけど、途中で気を失って離したと思う、
だから同じ場所に落ちなかったし、雷に打たれたかどうかも分からない」
「どっちにしても奴は今風に言うと人を殺しても何とも思わない
サイコパスだと思うし近くにいる、でお千代ちゃんを
探そうとしてるのかも・・・」
重い空気に包まれる二人だった。
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