本物

1/2
5人が本棚に入れています
本棚に追加
/11ページ

本物

我輩は神である。まだ、名前は無い。確か、こんな始まり方の小説があったのではないか。“神„は入ってなかった気がする。あぁ、これが俗に言うパロディーなるものではないのだろうか。フフッ 少し面白かった。何が面白いのかと訊かれれば答えれないが。面白かった、少し。シーーン 神の宮殿には音源が、神の口以外に何も無い。もう、面白さがもたらす高揚感は宮殿の静けさに吸い取られていた。つまらない。酷くつまらない。この宮殿には何も無く、何でも有る。神が望むだけで、この世の万物が、宮殿の真ん中の台座の上に出てくる。だから手に入れる楽しさが無い。神の手の上、目の前に“出す„ことも出来ることには出来る。だが1000年程前から台座の上だけに“出す„ようにしてる。何故いちいち面倒なことをするか、それは暇だからである。別に神は5000年の間寝ていようと体は動くし、移動時は“奇跡„を起こして飛べばいい。そして神は、この世に生まれた瞬間に全てを知り、全ての支配権を得た。下界の全ては神のもの。昔は人々もそれを前提に暮らしていた。だが時がたつと、人は傲慢となり地球を傷付け、その行いを批判する。馬鹿らしい。昔に何が起ころうと、地球は死なないと伝えたと謂うのに。
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!