業務引き継ぎ(一方的)

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「業務引き継ぎ?神の仕事を俺達が?」「具体的には?」筑紫田は順応が早い。状況を理解すれば、すぐに話を進める。それが補佐官に選ばれた理由なのだろうか。二人を選んだ、神事補助システムの“神次„の意図はまだ分からない。「具体的には、特にこれといって、無い。」「無い?」「じゃあ引き継ぎの必要は無いな」「いいや、あるんだよ。神の力と、神の責任を理解してもらうためさ。」「理解ねぇ、俺達二人でやるのか?」「何っ!?」筑紫田は嫌そうな顔をした。「何だよ~筑紫田~もう俺が嫌いかよ~」根羽堕はそれほど傷付いた様子は見えない。図太い奴だな。「いや、神は1人だ。もう1人は補佐官」「俺が神だな」「そうか、私か」ほぼ同時だった。お互いに顔を見て、何言ってんだコイツ。みたいな顔をしている。意外と二人は似た者同士なのかもしれない。「神は根羽堕だ。補佐官は筑紫田。」「イエ~イ」無感動に根羽堕が言う。「こんな男より私の方が神にふさわしいだろう!」筑紫田は猛反発。人をよく見る分、上下には厳しいのだろう。「根羽堕は宗教を取り仕切っているからな。」筑紫田は根羽堕を見て、納得したようだ。「最初から何故平日にそんな服装なんだと思っていたが、そういうことか。」「まあね、サラリーマン殿」毒の多い会話は耳に悪い。「二人とも、私は何かもう疲れちゃったから後はコイツに聞いて」「「コイツ?」」神次が斜め前に現れる。形は球体で黄金。近未来風に回路のような溝がある。久しぶりに見た。何千年ぶりだろう。『こんにちは新しい神よ。そしてお疲れ様、旧き神よ。』「コイツは神次。神に次と書いて神次。補助システムだ」『宜しくお願いします』ピカッ神次から光が見え、
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