柘榴の花言葉(♀→♀)

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柘榴の花言葉(♀→♀)

柘榴の花言葉【愚かしさ】  分かっている…。 こんな状態が、いつまでも続く訳無いって…。 分かっている…だから…。 「ん…、どうしたの?元気無いみたい。」 「ううん、何でも無い。もう少し寝てて良いよ。」  寝起きでも優しく訊ねてくる彼女。 誰に対しても優しい彼女は、わたしの恋人だ…。  彼女と知り合ったのは数年前。 わたしの働く会社に、新人として入って来た彼女は穏やかな雰囲気と、誰に対しても優しい性格であっと言う間に社内の人気者になっていた。 入って間も無い頃は一切話す機会も無く、わたし自身も‘新人か…。’程度で特に気にしていた訳では無かった。  そんな関係が変化したのは、突然だった。  ちょっとした手違いで残業する事になり、他の社員が皆帰って行く中、一人で作業をしていたわたしに声を掛けて来た彼女。 ‘今日、この後暇だから…。’と、彼女から初めて掛けられた言葉がこれだった。 次の日、残業の手伝いをして貰ったお礼も兼ねてわたしから声を掛け、それから次第に仲良くなっていったのだ。  付き合いが長くなれば長くなる程、わたしは彼女に惹かれて行き、その内に異性に感じる筈の感情を彼女に抱く様になっていた。  ずっと隠していた気持ちを彼女に打ち明けたのは、彼女が結婚していた事を知った時。 戸惑っていた彼女に、‘わたしが勝手に好きなだけだから…。’と告げると、彼女は‘私も好きだったよ…。’と言ってくれた。  だけどわたしは、そんな彼女の口から意外な言葉を告げられた。 ‘…貴女を、誰にも取られたく無い…。’ 告げた彼女は真剣な眼差しでわたしを見つめ、段々距離を縮めると、不意に唇を奪われた。  あまりにも突然の事に固まっていると、唇を離した彼女は‘ごめんね…。’と言って、会社を後にした。 何が何だか分からないながらも、わたしは彼女と両想いだった事に、喜びと悔しさが込み上げていた。 ‘もっと早くに出会っていれば…。’  それから数日間は何事も無かったかの様に彼女と接し、彼女もまた何事も無かったかの様に過ごしていた。  そんな最中、忘れ物を届けに、彼女の夫が会社へやって来た。 二人はとてもお似合いで、同僚達は興味深そうに二人を囲み、見せ付けられてる気分になったわたしはその場を離れた。  二人の間には、完璧にわたしの入る隙は無く、心に大きな穴が開いた様だった。  泣いていたんだろう。 いつの間にかやって来ていた彼女に、抱き締められながら子供の様にあやされていた。 彼女は‘ごめんなさい’と謝りながら、キツくキツくわたしを抱き締め、彼女の顔を見ようと顔を上げたわたしにキスをした。  その日から、わたしと彼女は二人きりになると、人知れず愛し合う様になった。 これが悪い事だと知りながらも。 誰かを傷付ける事になると分かっていても…。  愛し合わずにはいられなかった…。  この関係になって数年経った今でもわたしは彼女を求め、彼女もわたしを求めてくれる。 誰にも話せない、秘密の関係。  この関係が終わりを向かえるまで、わたしは彼女を愛し続けるだろう。 だから、今だけは隣で寝ている彼女を、ただ、わたしだけのモノに…。 終わり
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