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彼で本当に良かった。
彼のご両親がお見舞いにきた。
「バカな息子でごめんね。」
お母さんがそう言った。
山田君は、お腹の子は自分の子供だって言ったんだ。
申し訳なくて涙がでた。
「ほら、保証人の所は書いてある。
今日中に出してきなさい。」
がたいのいいお父さんが半分脅しのような口調だ。
「そうよ、今日は大安吉日なのよ!」
お母さん、うれしそうだ。
「わかったよ。」そう言って、スラスラと何の迷いもなく名前を書いた。
山田君、本当にいいの?
ほら、ひろこも書いて、
渡されたペンを持つ手が震えた。
3人がじっと見てる。
駄目だよ。
書けない。
やっぱり、みんなを騙す事なんてできない。
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