私の旦那様

3/7
前へ
/59ページ
次へ
彼で本当に良かった。 彼のご両親がお見舞いにきた。 「バカな息子でごめんね。」 お母さんがそう言った。 山田君は、お腹の子は自分の子供だって言ったんだ。 申し訳なくて涙がでた。 「ほら、保証人の所は書いてある。 今日中に出してきなさい。」 がたいのいいお父さんが半分脅しのような口調だ。 「そうよ、今日は大安吉日なのよ!」 お母さん、うれしそうだ。 「わかったよ。」そう言って、スラスラと何の迷いもなく名前を書いた。 山田君、本当にいいの? ほら、ひろこも書いて、 渡されたペンを持つ手が震えた。 3人がじっと見てる。 駄目だよ。 書けない。 やっぱり、みんなを騙す事なんてできない。
/59ページ

最初のコメントを投稿しよう!

125人が本棚に入れています
本棚に追加